脱毛症体験談 04
萩原 真弓
美容師
パートナーサロン 広島
Stro-Bo Hair オーナー
汎発性脱毛症になり、今はウィッグユーザーとして美容師をしています。ウィッグソムリエの資格も取得。今お使いのウィッグをより快適に、皆様のお悩みに寄り添えるよう、ウィッグ探しのお手伝いをさせていただいています。
初めて脱毛症とわかったとき
最初に1つの円形脱毛症をみつけたときは、あれっ?わたしって円形できるようなタイプ?円形ができるのはストレス(気持ちが弱いとか、諸々)が原因?そういう認識しかなくて、できてもすぐに治ると思ってました。 来店されるお客様の中でも、1つぐらいの円形脱毛症ができている方もいましたが、3ヶ月もすれば治られているのをみていましたので、私もすぐに治るだろうと、最初はスタッフと共に笑っていました。ですが、2日目には2つ、3日目には蛇行するように、髪が抜けていきました。 痛くも痒くもなく、ハラハラと抜ける髪の毛に恐怖しかなく、ましてや仕事柄、髪の毛のないお客様も来ない、都会とは違い、人の少ない地域で暮らしでしたので、こんな病気は初めてお目にかかる体験でした。 どのように過ごしたか?それを聞かれるのも嫌ですね。過ごして無かったという気持ちです。恐怖体験をしている場合、どのように過ごしたか覚えてないのと同じ状態でした。
脱毛症とお仕事について
私の場合は美容師ですから、髪の毛を引っ張ってももげないお客様ばかりでした。この人の髪の毛は、もげ無い!わたしのは、もげちゃう・・・。 羨ましいし、髪の毛の悩みなんて、ヘアスタイルの悩みなんて、はっきり言ってそれぐらい何?って思っていました。新発売のトリートメントや、色々な新商品を持ってきてくれる営業のディラーさんにも、私は試せない・・・という事が、正直悔しいし、むかつきました。 このまま、髪の毛がない私が、髪の毛のある人の仕事をしていていいのか?髪の毛がない私は、髪の毛のある人の悩みがよく分からなくなってきましたし、なんだか罪悪感さえ芽生えて、このお客様はきっと、髪の毛のある人にやってもらいたいだろうに・・・なんて思う日々でした。 今までしてきた勉強も、なにもかも捨て去りたい。いっそ違う環境に行ったほうが楽なんじゃないか?と考えていました。 カミングアウトに関しても、したらしたで、心無い言葉を投げかけられることもありました。「がんを隠している」とか、「それって感染するの?」とか、根掘り葉掘り聞かれ、私は、ストレス=脱毛症だと言われてしまうのが、弱い人だとレッテルを貼られるようで大嫌いでした。
ウィッグとの出会い
ウィッグは、美容室で提携していたF社さんやM社さん、A社さん色々買いあさりました。 その時買った全てが、「ウィッグ」というより、「かつら」でした。 嫌で嫌で仕方がないし、お値段もとても高いし、治るかどうかもわからない中、この先ずっと、このウィッグに多大なお金がかかるのかとぞっとしました。美容師でありながら無知でしたので、ウィッグには、百万程使いました。 最初は、3万円でも高いと思ってました。長年ウィッグを使い、ウィッグがどういうものかが分かってきはじめると、10万くらいのものでないとダメなんだなと、思うようになりました。 私は、外側より内側にこだわりました。アクアドールさんに出会って助かった!と思いました。それまでに1年探し回りました。人のためではなく、自分の為に。 出会ったあとは、ファイバーでもいいじゃん?と思ってましたが、歯の治療もそうですが、できるだけ本物に近いものを選ぶようになります。これは、脱毛症の人はほぼそういう道をたどられます。 お手入れが大変面倒ですが、1つだけ人毛100%のウィッグを、安心するために用意しました。いざというときの為にと思って、不安を解消しておりました。 今はもう、ミックスでも、ファイバーでも、と、開き直ることもできましたが、同窓会や、結婚式の仕事などの時、ここぞのときは人毛のウィッグでした。 自分のヘアスタイル、ウィッグに出会うまでは、闇でした。自分に合うウィッグに出会うと、少しは気持ちが楽になりましたが、美容師という仕事のため、他の人よりリアルがわかるのが、不幸でした。
今の生活について
今は、奇跡的多発円形まで寛解したので、部分ウィッグをしてます。
脱毛症の方に伝えたいこと
たった一人の奇病だと思ってました。世の中に私だけだと思ってました。 勇気を出して、一人の同じ病気の方に出会ったときに、胸が楽になりました。私だけではないんだということ。 それを、繫げる。近場でみつけて話をしてみる。仲間から入る友達関係は、本当に早く親友まで辿り着きます。 私も、沢山の友達と、今まで出来なかった大きなお風呂にいく、ウィッグだから出来ないと思っていたことを仲間とやってみると、気持ちが変わりました。もちろん人それぞれ違うと思いますが、私は、同じ病気の人と近場で出会えた事が転機になったと思います。 でも、やはりTVなどで髪の毛が無い頭に絵を書いたり、人前でショーとかをされているのが目に入ると、同情されたり、ああはなりたくないという心の奥の声が聞こえてくるので、やめていただきたい、見たくないと思います。
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