脱毛症体験談 02

小野 千晶
ウィッグアドバイザー
パートナーサロン 福岡/小倉/熊本
CHARM オーナー
脱毛症を経験した中で、ウィッグを選ぶのにも、九州周辺ではなかなか納得のいくウィッグが手に入りませんでした。おしゃれで自然、高品質でお手頃価格のウィッグをもっと身近に、悩んでいる方々にもっと気軽に試してほしい!との想いから、CHARMというサロンを立ち上げました。CHARMオリジナルデザインの可愛いケア帽子も販売しています。
初めて脱毛症とわかったとき
私自身のことを書くのには、実はとても抵抗があり、悩み、迷いもしましたが…私の心からの想いをお伝えするために、自分自身の体験をありのまま、ここで打ち明けさせていただくことにしました。 私は当時、法人コンサルタントの仕事をしていました。 仕事中に何気なく首の横を触るとリンパ腺が腫れていたのですが『あれ?風邪の前兆かな』と、そんなに気にしませんでした。しかし次の日も触ってみると、なんと両方の首に10箇所もリンパ線が腫れている箇所ができていたのです!さすがに怖くなり、すぐに病院で検査をしてもらう事にしました。 結果は1週間後。長いな〜と思いながら待っていた私に、先生が「あなたは今、仕事をしていますか?」「今から診断書を書くから、2週間休みをとりなさい」と言うのです。 しかし、リンパの腫れ以外はどこも悪くなく元気でした。さらにスケジュール帳を見ると1週間先まで仕事が埋まっていました。私は先生からの忠告を聞かずに会社へ行きました。 数日後、突然体に異変が!!全身に湿疹が現れ、体中が燃えるような熱が出て、ブラッシングすると髪の毛が大量に抜けてしまったのです。 その日を境に私の体はどんどん悪くなり、すべての機能が故障してしまったようでした。杖がないと歩けないほど衰弱し、最後は髪の毛を含む全身の毛までもが脱毛してしまいました。 当時のお気に入りは、長い髪の毛をクルクル巻くスタイル。そんな私は体の故障よりも、容赦なく大量に抜けていく髪の毛を見るたびに、地獄のような日々を過ごし、毎日泣いてばかりいました。 いま思い返すと、ここで一生分の涙を流したのでないでしょうか。朝、目が覚めては『これが夢でありますように』と鏡を見て落胆、毎日毎日現実を受け入れることが出来ませんでした。 もちろん病院で検査もしましたが、結果はまさかの異常なし。『これだけの症状が出ているのに、異常がないはずがない!』『もっともっと詳しく検査を!』どれだけの検査をしただろうか…今はもう覚えてはいませんが、いつも結果は同じでした。 その後は、必死になってインターネットで調べ、やっとの思いで某大学病院の専門外来を見つけて受診することになりました。
ウィッグとの出会い
その頃の私は、ウィッグがないと外を歩くことができない姿でした。デパートにかつら専門店があったのを知っていたので、母と一緒に見に行きました。いざ店の前まで行くと、ズラリと並んだたくさんのかつら。しかし、どう見ても年配の方向けの髪型ばかり。おしゃれが好きな若い人のためのものは見当たりませんでした。お店に入ることに強い拒否感が沸き起こり、「なんで私がこんなおばさん専門のようなお店に!」と思わず拒絶してしまいました。 それでも、母に手を引っ張られ「あれがないと病院にもいかれんのよ!」と喝をいれられ、ほんとうに本当に仕方なくお店に入ることに…入るところを誰かに見られるのも凄くイヤでした。 そして、薄いカーテン1枚で仕切った部屋へ。いざ試着。 担当の人が、私の頭を見て驚きの目を向けてきました。平常心を一生懸命装っているのも分かってしまいました。それからいろいろ見せてもらいましたが、やはりおばさんっぽい髪型ばかり。ようやく選び値札をみると、20万もする高額な金額。他のものは更ににそれ以上の金額で、思わず母と目を見合わせました。 でもこの中から選ばないと…時間も髪の毛も限界でした。仕方なく選んだかつらを買って帰るしかありませんでした。 そして私はこの後すぐに入院、治療に入る事になりました。ここまで辿りつくのに1ヶ月近く経ってしまいました。 専門病院で検査をして分かったこと。それは、私のアレルギー数値が異常に高く、何かの反応で自己免疫疾患になってしまったとのことでした。少しでも僅かな原因が分かったこと。また、私を受け入れてくれた病院があったことに安堵感が広がりました。 私のこれからの生活に絶対に必要な物。それは【ケア帽子と医療用ウィッグ】でした。
入院中、初めて手に取ったケア帽子
『ケア帽子?』初めて耳にした名前でしたが、抗がん剤治療や脱毛症などの治療で髪が抜けてしまった人がかぶる室内用帽子のことらしい。 まずは病院の売店で売っているそうで、いざ買いにいくと… 病気になった人がかぶるあの帽子。無地の色違いがあるだけの、地味で気が滅入ってしまうような帽子たち。『こんなの買いたくない』というのが本音でしたが、私にはそんな事を言ってる時間もないので購入する事に。 いざ、ケア帽子をかぶり入院生活が始まりました。病院内ですれ違う人たちの目線が、それはそれは私の顔と頭を見て「若いのに可哀想に…」そういう目線をたくさん浴びました。そう、あのかつらを購入した時に見たあの店員さんと同じ目でした。 この帽子かぶると、ぱっと見て病気の人ってわかるんだ。このとき初めて、ケア帽子をかぶる人の気持ちが分かったような瞬間でした。 その後、インターネットでいろいろなケア帽子を探しましたが、ほとんどがあの売店においてあるような地味な帽子ばかり。 こんな経験から、なければ作ってみようかなと軽い気持ちから始まりました。何度も試行錯誤し、また頭皮に心地よい生地や気分が明るくなるような可愛らしいデザインに徹底的にこだわりました。夢と希望を与えるケア帽子を作りたいと思い、やっと完成したのがチャームの可愛いケア帽子です。
ウィッグと今のお仕事について
私が購入した高額なかつらは、非常につけ心地が悪く、扱いも難しい上に、髪型自体が気に入らなかったので、かぶるたびに精神的なストレスになっていました。せっかく高いお金を出して購入したのに、散々な目に… その後、私は沢山の医療ウィッグを探し、購入しました。1万円以下のファッションウィッグ(機械編み)から、20万円以上する人毛100%、そして人毛Mixまであらゆるメーカーのウィッグを買いあさり試しました。 しかし『つけ心地はどうか』『疲れないか』『痛くないか』『似合っているのか』など、ウィッグはインターネットの写真だけではとてもわかりづらい。 そう、長時間つけるものなので、試着とカウンセリングがとても大切なのです。 ほとんどのメーカーは簡単にインターネットで購入できるのですが、『店舗で試着をしたい!』と思うようなおしゃれなウィッグを扱うお店は、大阪や東京まで行かないとなかったのです。 また、無料試着のサービスもあったのですが、貸出中が多く順番待ちの状態でした。私は九州から東京にある医療用専門サロンまで行き、そこで購入することにしました。 それが【アクアドールの医療用ウィッグ】との出会いでした。 おしゃれなデザインで自然、高品質なのにお手ごろ価格。驚きの軽さで疲れない、締めつけず、フィット感抜群、サイズ調整も簡単にできました。周りの人たちからも「今までで1番いい!」と言われてとても嬉しかったのを覚えています。 そして、『このウィッグを九州でも試着・購入できるようにして欲しい!』と強く思うようになりました。九州周辺の方にも、もっと気軽に医療用ウィッグに触れて、試着いただければと。すぐにアクアドールさまへ直談判し、交渉の末、先方の社長より快く承諾いただけました。 そして、九州で初のアクアドール提携店として、この【チャーム】が誕生しました。
脱毛症の方に伝えたいこと
チャーム誕生に至るまでに3年かかりました。初めは、あれだけ嫌で嫌で仕方なく買ったウィッグやケア帽子でしたが… いま思い返すと、あの子達のおかげで病院にも通え、外出することも出来るようになったのです。いつの間にかあのウィッグやケア帽子が私のお守りになっていました。 そこから、私どもの医療ウィッグ・可愛いケア帽子が【みなさんのお守り=CHARM】になればと願いを込めてサロンの名をつけました。 1番大切にしている事。 それは「何を売るか」だけでなく、「誰がどのような対応するか」ではないかと思っています。 私自身が病気を経験し、たくさんの医療用ウィッグやケア帽子を使用してきているため、必要とされている方の気持ちがよくわかります。治療中は髪が抜けてしまうことで、精神的に大変落ち込み、頭皮も敏感になります。悲しみを抱えている方の心に寄り添い、つけ心地のよいウィッグや可愛いケア帽子で少しでも前向きになり、お洒落を楽しんでもらえるようなお手伝いが出来ればと思っています。
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